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医療法人社団巨樹の会 小金井リハビリテーション病院 様

2026.08.20 Thu

導入事例
医療法人社団巨樹の会 小金井リハビリテーション病院 様

医療法人社団巨樹の会 小金井リハビリテーション病院(以下、小金井リハビリテーション病院)全床に、ころやわマットが導入されました。 

小金井リハビリテーション病院 外観
病棟に設置された「ころやわマット ベッドサイド用 Lサイズ」

導入経緯インタビュー

身体拘束最小化と転倒対策の両立へ。

回復期リハビリテーション病院で実現した、全床ころやわマット導入という選択。
  

左から、看護部長 近野様、医療安全管理者 渡辺様、理学療法士 廣瀬様、2階病棟看護師長 荒木様 

インタビューご対応者:
近野様(看護部長)/ 渡辺様(医療安全管理者)/ 廣瀬様(リハビリテーション科 / 理学療法士) 

※インタビュー内容は2025年12月時点のものになります。

身体拘束最小化という転換点、そこで生まれた新たな課題 

- ころやわマット導入前、転倒・転落に関してどのような課題をお持ちでしたか?

渡辺様(医療安全管理者)
当院では約2年前から身体拘束最小化に取り組んでいます。診療報酬改定を前に動き始め、当初は身体拘束率が50%を超える病棟もありました。拘束を外すことで患者さんの自由な動きが戻る一方、ベッドサイドでの転倒・転落が多くなりました。夜間や朝はスタッフが最大4名で、4か所で同時にセンサーが鳴れば5人目はすぐに駆けつけられない。そういう現実がありました。 

特に朝方は人手が限られているため、センサーが鳴っても患者さんがすでにベッドサイドの床にいることが少なくありませんでした。年間154件の転倒のうち骨折は3件でしたが(2023年度)、転倒した方が骨折しなかったのは転び方が良かっただけで、いつ骨折してもおかしくない事例だと感じており、身体拘束最小化を続けていく中で、今後骨折が増えていくのではという不安は常にありました。 

廣瀬様(リハビリテーション科)

リハビリ場面では、ベッドから起居した後の端坐位で目を離した隙に滑落する事例や、重介助が必要な方を横向きに起こした際に突っ張ってしまい、そのまま滑落するような事例があり、転倒は防ぎきれないと感じる場面もありました。ころやわマットを導入してから、床上でのインシデントはまだ発生していませんが、今後インシデントが起きた際にどう変わるかをしっかり評価していきたいと考えています。 

- 身体拘束最小化を進める中で、スタッフの方々にはどのような葛藤がありましたか?

渡辺様(医療安全管理者)

「勝手に立ち上がった」というスタッフの言葉が気になっていました。患者さんにとっては、リハビリが来る前にトイレに行こうとしたり、準備しようとしたりした当然の行動ですが、スタッフからは「勝手な動作があった」という認識になってしまう。その矛盾を変えていく必要があると感じていました。 

また、転倒が起きてしまった際のスタッフへの精神的負担も大きな問題でした。インシデントレポートを細かく書く必要があり、「センサーがちゃんとセットされていたのか」「本当に駆けつけていたのか」と問われるわけではないのですが、そういったプレッシャーを感じてしまう。骨折3件という数字よりも、転倒のたびにスタッフが疲弊していく状況の方が、現場への影響は大きかったと思います。 

近野様(看護部長) 

転倒リスクを評価していても、100%予測することはできません。しっかり評価していたのに転倒が起きてしまった時、患者さんに負担をかけてしまことはもちろんですが、ちゃんとやっていたのかと問われる辛さは、スタッフにとって本当に切ないものです。身体拘束最小化を取り組んでいる中で、スタッフも患者さんも守れる道具が必要だと感じていました。 

看護部長 近藤様

ころやわマットとの出会い、そして全床導入という決断 

- ころやわマットをどのようにして知りましたか?

渡辺様(医療安全管理者)

身体拘束最小化に取り組み始めた頃、「身体拘束を減らすためにできることはないか」とインターネットで情報を探している中で、ころやわマットにたどり着きました。2025年1月にはオンラインでお話を伺い、一度試用もしたのですが、その時は現場から様々な意見があり、すぐには導入に至りませんでした。ただその後も継続して検討を続けることで、2年越しで今回の全床導入に踏み切ることができました。 

- 一度は見送ったにもかかわらず、改めて全床導入を決めた理由を教えてください。

渡辺様(医療安全管理者)

「転ばないようにね」とスタッフは患者さんに声をかけますが、二足歩行である以上、どのような人でも転倒のリスクはあります。特に患者さんは麻痺があったり、骨折があったりで通常以上にバランスが悪い状態です。「転ばないで」と言い続けることには限界がある。そんな中で「転んでも立ち上がれる」という言葉が響きました。 

転んでも大きな怪我にならない環境があれば、スタッフの味方になると思いました。「身体拘束をやめて」というだけでは、現場のスタッフは追い詰められるばかりです。ころやわマットがあることで、身体拘束を減らする方針を現場が前向きに受け入れられる、そういう味方になるのではないかと感じたことも、導入を決めた理由のひとつです。 

医療安全管理者 渡辺様

近野様(看護部長) 

過去にベッドサイドでの頭部外傷事例があり、頭部外傷リスクも深刻な問題として認識していました。ころやわはヘッドギアと同等の頭部保護効果があるということで、ヘッドギアを着けて生活できる方は中々いませんが、ころやわは床で受け止める構造なので、頭部外傷のリスク低減にもつながるという点を経営層に説明し、理解を得ることができました。やるなら全部という方針で、全220床への一括導入を決めました。 

部分導入にすると、「どの患者さんに使うか」という判断と管理が必要になります。転倒リスクが下がったと判断してころやわを外したタイミングで転倒が起きたら、という心配も出てきます。全床に敷いてしまえばそういった手間もなく、スタッフも患者さんのケアに集中できる。全床導入が一番合理的だと考えました。 

転倒リスクをある程度予測できる患者さんには、ころやわマットと併せて従来の緩衝マットも使用しています。一方、リスクの予測が難しい患者さんにはころやわマットが適していると考えています。いつどこで転倒するかわからないからこそ、床そのものとして採用する意味があると感じています。 

 

導入後1か月半、現場から聞こえてきた声 

- 導入から約1か月半が経ちましたが、変化や気づきはありましたか?

渡辺様(医療安全管理者)

導入後、ころやわマットの上で転倒した事例も複数ありましたが、いずれも骨折には至っていません。センサーが鳴って駆けつけると、すでにころやわの上に座っていることが多いので、「敷いておいてよかった」というスタッフの声があります。 

廣瀬様(リハビリテーション科) 

転倒する可能性が高い患者さんに関して、移動や移乗を自立と判断することは、慎重にならざるを得ません。ただ、ころやわがあることで、患者さんの能力をもう一歩引き出すようなリハビリや、自立に向けたチャレンジを後押しできる可能性は感じています。まだ始まったばかりですが、長期的にどう変わっていくか注目しています。 

- 患者様やご家族からの反応はいかがでしたか?

近野様(看護部長) 

導入時には患者さん全員に「こういうマットを全室に敷きます」とご説明しました。転倒しても骨折のリスクを減らすためのものだとお伝えしたところ、拒否反応などはありませんでした。ご家族へのご案内はまだこれからですが、今後は入院時の説明の中で積極的にお伝えしていきたいと考えています。 

 

使ってみてわかったこと、正直な評価 

- 実際に使ってみての率直なご感想をお聞かせください。

渡辺様(医療安全管理者) 

スタッフからは「硬い」という意見もありました。以前使っていた衝撃吸収マットはふかふかしていたので、見た目の柔らかさに安心感を覚えていたんですね。ころやわは通常のマットより硬い分、「本当に衝撃を吸収できるのか」という不安の声が最初はありました。 

そこで、実際に病室の床にころやわマットを敷き、スタッフに膝をついて体感してもらいました。「見た目は硬いけれど、膝をついたときにちゃんと凹む」という感覚を体験することで、少しずつ理解が広がっていきました。頭ごなしに「大丈夫」と言うのではなく、実際に試してもらうことが大事だったと思います。 

廣瀬様(リハビリテーション科) 

私も最初の印象は「結構硬い」でした。ただ、実際に膝をついてみると、しっかりと凹む感覚があります。ころやわの硬さは、患者さんが立ち上がったり歩いたりするために必要な硬さであり、衝撃吸収性についてはデータでも立証されています。体感してみると、その意味が納得できました。

リハビリテーション科 医療安全担当 廣瀬様

- 運用面での課題や気づきはありましたか?

渡辺様(医療安全管理者) 

基本的には敷きっぱなしで、床として扱っています。清掃についても、床と同じような清掃で問題ないことを清掃業者に説明し、通常の床清掃と同じ流れで対応してもらっています。運用上の手間を増やさないことが、全床導入を無理なく続けていくうえで大切だと感じています。 

廣瀬様(リハビリテーション科) 

4人部屋では病室のレイアウト変更が発生する場面があり、マットの配置調整に手間がかかることがありました。冷蔵庫やテレビ台の位置によってはマットの端がめくれてしまうこともあるため、その都度対応しています。また、部屋の広さとマットのサイズの兼ね合いも課題として感じています。病室のレイアウトによってはサイズが合わない場合があり、サイズのバリエーションや色の選択肢があるとさらに使いやすくなるのではと思います。 

使ってみてわかったこと、正直な評価

- 導入を検討している病院の皆さんへ、メッセージをいただけますか? 

近野様(看護部長) 

転倒リスクをしっかり評価し、巡回なども行っていますが、それでも患者さんの行動を100%予測することはできません。実際に転倒が起きてしまうこともあります。その時に傷つくのは患者さんだけではなく、対応したスタッフにも精神的な負担が大きくかかります。導入するなら全床が良いと思っています。どの患者さんに使うかを判断して移動させる手間を考えると、全部敷いてしまえばそのストレスがなくなりますし、敷いていない場所で怪我が起きた時の後悔も防ぐことができます。 

廣瀬様(リハビリテーション科) 

身体拘束最小化が進む中で、転倒件数が増えることはある程度わかっていることです。ころやわマットがあることでベッドサイドでの骨折件数は減っていくのではないかという気がしています。まだ導入して1か月半(2026年6月時点)ですが、1年を通してベッドサイドでの骨折が本当にゼロになってくるなら、大きな力になると思います。大きな骨折が起きた際に、患者さん・家族・スタッフが本当に辛そうにしている姿も見てきたので、そういった場面が少しでも減る働きかけになればと思っています。夜勤スタッフの負担軽減という意味でも、大きな効果があるのではないかと期待しています。 

本インタビューは2026年6月に実施しました。掲載内容は取材時点のものです。 


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  • 担当者経歴

    転倒予防指導士 / 福祉用具プランナー / 福祉住環境コーディネーター2級 / 横倉恵果
    福祉用具供給業者の営業として、高齢者向けの福祉用具提供や住環境整備等に従事すること14年。
    転倒許容の考えを知り、更に骨折対策の重要性を感じた折に「ころやわ」を知り2025年に株式会社Magic Shields入社。
    「転倒骨折の予防」と「現場のダメージ軽減」のサポートに注力。

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