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高頻度で破損していた男子棟廊下の壁に「ころやわウォール」を導入

秋田県男鹿市の障害者支援施設「ひまわり苑」では、利用者様が壁に頭を打ち付けることで破損し、けがにつながることが頻繁にありました。行動を常に予測して防ぐことが難しいなか、利用者様の安全を第一に考え、男子棟の廊下両側約50mへ『ころやわウォール』を導入。導入までの検討と施工後約2か月の変化について、総務課係長の柴田公彦様にお話を伺いました。
『ころやわウォール』とは
強い衝撃が加わると凹み、衝撃を吸収する『ころやわ®』の構造体を壁面に施工するものです。壁への衝突などによる外傷リスクの低減を目的に、施設の居室や廊下などへ導入されています。

利用者様のけがを防ぐため、安全な壁面を探していた
ひまわり苑は、主に知的障がいのある方が暮らす定員80名の障害者支援施設です。男子棟では46名が生活しており、今回施工した廊下は、居室の外で過ごすことの多い利用者様にとって日常的な生活動線になっています。
導入前には、特定の利用者様が突発的に興奮した際、廊下の壁に頭を打ち付けることがありました。壁に穴が開くことが高頻度で起き、その際に生じた段差や尖った部分で頭部から出血するなど、受診が必要になるケースもあったといいます。
「壁に頭を打ち付けて穴が開くことが、日常茶飯事になっていました。まず、利用者さんにけがをさせないことが大前提でした。」― 柴田様
穴が開くたびに専門業者へ補修を依頼しましたが再び破損する状況が続き、安全面だけでなく、補修費用や施設側の対応負担も積み重なっていました。


ヘッドギアを装着して生活する方法もありますが、障がい特性や本人のこだわりなどから、常時着用することが難しい方も多くいます。さらに、行動は突発的に起きるため、職員が見守っていてもすべてを未然に防ぐことは困難でした。
「職員がほかの方の介助をしているときに大きな音がし、別の場所へ行くと壁に穴が開いていた、ということがありました。突発的に起きるため、支援に入っていても防ぎ切れませんでした。」― 柴田様
現場職員がサンプルを検証 導入判断の軸は利用者様の安全
壁に施工できるクッション性のある素材をインターネットで探すなかで、ひまわり苑が見つけたのが『ころやわ®』でした。導入前にはサンプルを取り寄せ、男子棟の職員が実際の壁に当てて、頭をぶつけたときや強く叩いたときの感触を確認しました。
「職員何名かで、実際に頭をぶつけたり、強く叩いたりして確認しました。これなら大丈夫そうだという印象を受けました。下地へのダメージも少なかったことが、すごくいいなと思いました。」― 柴田様
検討の中心になったのは、日々利用者様を支援する男子棟の職員でした。現場でサンプルを確認し、「これならいいのではないか」「これなら大丈夫そうだ」と話し合ったうえで、施設長などへ提案し、導入が決まりました。

男子棟の廊下両側約50mを施工
施工したのは、利用者様が日常的に行き来する男子棟廊下の両側約50m、合計58.9㎡です。入居施設での施工では、利用者様の生活を止めないことが欠かせません。作業中は資材や工具の管理に注意し、施設職員からの要望に合わせて荷物置き場や作業時間を調整しながら進めました。


施工後約2か月。けがの報告はなく、壁に頭を打ち付ける行為も減少
施工から約2か月が経過した取材時点で、対象となった利用者様に、壁への衝突によるけがは報告されていません。さらに施設では、壁に頭を打ち付ける行為そのものも、以前ほど見られなくなったといいます。
「導入してから、その利用者さんにけがは全くありません。それどころか、壁に頭を打ち付ける行為自体があまり見られなくなりました。」 ― 柴田様
行為が減った理由は分かっておらず、施設でも「壁を隙間なくきれいに施工したことが影響したのかもしれないが、あくまで推測」と慎重に受け止めています。その一方で、施工後約2か月にわたりけがが報告されていないことは、施設が確認している事実です。白かった壁の色が変わることで、環境の変化に敏感な利用者様がどのように反応するかという懸念もありましたが、施工後、壁への強いこだわりや大きな混乱は見られず、施設での生活はスムーズに継続できました。
けがへの対応だけでなく、職員の時間的・心理的負担も軽減
以前は壁に頭を打ち付ける大きな音がすると、職員がその場へ駆けつけ、利用者様の状態確認や応急対応を行っていました。けががあれば受診の判断、ご家族への連絡、事故報告書などの作成も必要です。
「けががないということだけでも、その方への対応にかかる時間が軽減されています。職員の負担という面でも、かなり助かっています。」 ― 柴田様
安全な環境を整えたことで、突発的な出来事への対応に費やしていた時間が減り、職員がほかの利用者様への支援に向き合いやすくなっています。
同じ課題を抱える障がい者施設へ
「当施設では、利用者さんのことを第一に、安全面を考えて、『ころやわウォール』を導入しました。施工後、その利用者さんにけががないことは確かな事実です。今回施工していただいたことに大変満足しています。」 ― 柴田様
障がい者支援の現場では、行動の背景やきっかけが分からず、職員の見守りだけでは防ぎ切れない場面があります。ひまわり苑の事例は、利用者様の行動を一律に制限するのではなく、生活環境を整えることによって、本人の安全と支援する職員の負担軽減の両方を支える可能性を示しています。
施設紹介
社会福祉法人 若美福祉会 ひまわり苑は、秋田県男鹿市にある定員80名の障害者支援施設です。主に知的障がいのある方へ、日常生活や日中活動の支援を提供しています。東京都委託施設で、都内から入居している方が多く暮らしています。
施設Webサイト:http://wakamifukusikai.com/access.html
※本インタビューは2026年9月に実施しました。掲載内容は取材時点のものです。
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