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《Column vol.06》施設で働く介護職が感じる課題とは?解決策を紹介

《Column vol.06》施設で働く介護職が感じる課題とは?解決策を紹介

介護施設を運営していて、介護職員がどのように考えて仕事をしているのか気になる方も多いのではないでしょうか?介護職員の中には、現場での課題を感じているものの、それを上司にうまく伝えることができず悶々としながら仕事をしている人もいます。

そういった介護職員が感じている課題をうまくくみ取ることができずにいると、介護ケアの質が上がらないどころか、追い詰められた介護職員が離職してしまう事態にも繋がってしまいます。

介護ケアは、施設職員全員が一丸となって成り立つものであり、質を上げたいなら介護職員の感じている課題をまずは把握しておきたいものです。

そこで、この記事では、施設で働く介護職員が感じる課題やその解決策について紹介していきます。

施設で介護職員が感じがちな課題3つ

現場で働く介護職員が感じている課題とは、どのようなものでしょうか?

筆者の現場経験を踏まえながら、介護職員が抱えがちな課題を3つ紹介していきます。

丁寧な介護ケアができない

仕事が忙しく、利用者に寄り添った介護ケアが実現できないことを課題と感じている職員は多いものです。特に職員不足や利用者の介護度が高く多くの介助が必要な場合などは、業務がまわらないことがあり、十分に時間をかけて利用者と接することができないこともあります。

筆者の過去勤めていた職場でも、利用者の生活の質を上げるための介護ケアを実現していこうと夢を持って入職したはずなのに、実際には時間に追われてばかりで利用者と関われないという葛藤に悩む職員は、意外と多かったように感じました。

情報共有がうまくいかない

他職種同士で協力し合って成り立つのが介護ケアです。特に、スタッフ同士の情報共有は大切なことです。情報共有することで、対応を統一化したり、事故などを防いだりすることもできます。

しかし、その情報共有がうまくいかず、介護ケアの質が上がらないことを悩んでいるスタッフは、実際に多いものです。こういった場合には、情報共有ができない具体的な理由を探していく必要があります。

利用者の事故を防ぐのが難しい

利用者の事故が続いてしまうことに課題を感じている介護職員も多いです。

対策をしたつもりでも、また同じ事故が発生してしまうこともあります。筆者の過去の同僚の話ですが、利用者の事故を防げなかったときに、職員自身が不甲斐なさを感じて悩み続けてしまうこともありました。

利用者の生活を守ることはもちろんですが、スタッフが追い詰められて辞めてしまうことを防いでいくためにも、事故防止対策に取り組みたいところです。

それぞれの課題の原因

介護職員が感じる課題は複数あることは上記で説明した通りですが、解決に繋げたいと思ったらまずはその原因を深堀りしていくことが大切です。

何が原因で介護職員は課題を感じてしまうのでしょうか?ここからは、介護職員が感じる課題の原因を解説していきます。

スタッフの人手不足

介護業界全体で慢性的な問題とされているのがスタッフ不足です。

介護ケアに必要なスタッフの人数が足りていないことで、見守り不足になり利用者の転倒事故などに繋がってしまうことがあります。

また、人手不足が招く介護ケアの質低下も深刻な問題です。多忙であるために丁寧な介護ケアができないどころか、それが原因で介護職員一人が抱える業務負担が増え、耐えられなくなった介護職員が辞めてしまうという悪循環が続いてしまいます。

人員配置が適切ではない

スタッフ数が足りていても、人員配置が適切でなければ、さまざまな問題に繋がってしまいます。

例えば、全体的なスタッフ数が足りているのにも関わらず、夕方や朝など、利用者の動きが多い時間帯に配置人数が少ないと見守りが思ったようにできず、思わぬ事故を招いてしまうことも。

せっかくスタッフがいてもそれを活かすシフトづくりができていないと、介護ケアの質は下がってしまうでしょう。利用者の生活スタイルに合ったシフトづくりが理想的であるといえます。

生活環境に問題がある

上記の原因以外に、高齢者の生活環境に問題があり、介護職員が感じているような「転倒の多さ」に繋がってしまう場合もあります。

バリアフリーを導入してしっかり対策しているつもりでも、一人ひとりの利用者に合っていないものであれば意味がなくなってしまいます。生活環境が適切でないというのも、課題を抱える原因の一つといえるでしょう。

課題をそのままにしておくことのリスクは?

介護職員の感じている課題をそのままにしておくのは、施設の事業者にとってもリスクが高いです。そのままにしておくことで介護職員自身が「課題を解決する力が自分にはない」と思い、介護ケアへの意欲を失ってしまうかもしれません。その結果、全体的に士気が下がってしまい、介護ケアの質低下にもつながってしまいます。

介護ケアと一番近くで向き合っているスタッフだからこそ、気づける課題はあると思います。その気づきを大切にして、課題解決を目指していける施設であれば、介護職員も安心して働けるのではないでしょうか?

介護職員の声を大切にすることで、離職率が低下する可能性もありますので、ぜひ課題を把握し、解決に向けて動いていきたいところです。次の章では、その解決策を具体的に提案していきたいと思います。

【ケース別】介護職員が感じる課題への解決策

介護職員が抱えがちな課題をいくつか紹介してきましたが、その解決策はどのようなものなのかと悩んでいる方もいるのではないでしょうか?ここからは、介護職員の感じる課題に沿った解決策を紹介していきます。

人手不足の場合:待遇改善や採用活動をする

人手不足を解消するための方法としては、待遇改善や採用活動に力を入れるのも一つかもしれません。

不満が少ない職場であればあるほど、職員の定着率アップに繋がります。その結果、人手が足りないことによる見守り不足や業務がまわらず介護ケアの質が下がってしまうなどの事態を防ぐことができます。

また、待遇改善した後は、新規の職員を採用する活動も積極的に行っていくと良いでしょう。給与面での待遇改善が現実的ではない場合は、休みの取り方など施設側が実現できそうは範囲で待遇面を工夫してみるのも良いかもしれません。

介護ケアの質が低いと感じる場合:職員の教育やメンタルケアを実施する

介護ケアの質が低いと介護職員が感じてしまっている場合にも改善していく必要があります。

  • ・情報共有ができていない
  • ・利用者への言葉遣いが悪い職員が多い
  • ・全体的に職員に観察力がない
  • ・職員間で仲が悪い
  • ・ご家族からの苦情が多い

上記のような状態であれば、いくら人手が足りていても、介護ケアの質は低い可能性が高いです。そのままにしておくと介護ケアの質向上には繋がらないため、職員の教育に力を入れていきましょう。

職員への教育としては、定期的に研修や勉強会を設けるだけでなく、そこから学べたことや改善したほうが良いと思ったことなど、職員の声を聞く機会を作ることをおすすめします。

そうすることでより介護職員の研修への意識づけになったり、次の研修をする場合に効果的に実施できたりするかもしれません。

研修は、ただやるだけでなく、目的意識を持つことがなによりも大切です。介護職員自身が感じている課題に沿った研修や勉強会ができると良いでしょう。

その他、利用者への対応や職員間の人間関係を課題と感じている職員がいる場合には、定期的に面談などを行い、本人のメンタルケアをしていくことで離職を防げるかもしれません。

転倒が多い:利用者の生活環境を見直す

利用者の転倒事故が続くときには、生活環境の改善が必要な場合もあります。

  • ・手すりがつかまりにくい
  • ・洗面台が高すぎる

など、利用者の生活環境に問題がないか今一度確認してみましょう。

また、ベッドの足元に敷いたマットが厚すぎて動きにくかったり、床が硬すぎて転倒時に大きな事故に繋がりやすかったりするような環境であれば、それも見直す必要があるでしょう。

利用者の転倒予防で床・マットを変えることを検討しているなら、「ころやわ」がおすすめです。

「ころやわ」は、普段は歩きやすい床となり、転倒時には独自の技術で実現させた吸収力で転倒した場合でも利用者の体を守ってくれる優れものです。

転倒予防の方法で悩んでいるなら、ぜひ床やマットの変更も検討してみてください。

職員の感じる課題を把握し、介護ケア向上を目指そう!

介護職員が課題を感じるということは、別の視点で見てみれば、施設の在り方を改善するチャンスと捉えることもできます。

介護職員と話し合う機会を設け、何を課題と考えているかを議論してみても良いかもしれません。なかなか介護職員からは言いにくい場合もあるため、抱える課題を事業者がある程度想像することも大切です。

職場環境や利用者の生活環境を整えることは、介護ケアの質を向上させられるだけでなく、介護スタッフの離職も防ぐことができる可能性があります。

課題解決に向けて積極的に、施設に合った改善方法を取り入れていきましょう。

この記事を監修しました

中村 亜美

中村 亜美 / 介護福祉士・フリーライター

専門学校の卒業と同時に介護福祉士を取得し、そこから計12年程、特別養護老人ホームで介護スタッフとして勤務。現在は、フリーライターとして、在宅介護者や介護スタッフ、事業者向けのコラムなどを執筆している。(株)Magic Shieldsのコラムでは、介護施設内の課題解決などに着目し、経験を踏まえながらわかりやすい記事の作成を目指している。

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