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【ウェビナーまとめ記事】改めて学ぼう!介護保険制度を活用した住宅改修の基礎《Column vol.87》

【ウェビナーまとめ記事】改めて学ぼう!介護保険制度を活用した住宅改修の基礎《Column vol.87》

「介護保険制度を活用した住宅改修の進め方」や、「在宅高齢者にとっての安全・安心・快適な生活空間」がわからないと悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

また、転倒事故対策の住宅改修の進め方もよくわからないといった意見もあると思います。

今回は、「工務店の理学療法士」である天米様をお招きし、住宅改修について講演いただきました。

この記事では、その内容をわかりやすく解説していきますので、ぜひご覧ください。

住環境整備が重要な理由

ここからは、住環境整備の本来の目的と現状の課題について解説していきます。

生活環境支援とは

住環境整備は、生活環境支援の中の一部であるともいえます。

生活環境支援とは、以下のものを含んだものです。

  • ・地域資源
  • ・福祉住環境整備
  • ・モビリティ
  • ・ソフトサービス
  • ・住宅改修
  • ・福祉用具

身体機能や生活方法に適した福祉用具の選択と住環境整備は生活行為の問題解決を図るだけでなく、本人の社会活動や生きがいを支援する重要なものです。

生活環境支援を考えるとき、住まいの環境を含む環境因子が重要になります。

そして、住まいに求められることは次のとおりです。

  • ・生活ができること、暮らしを楽しめること
  • ・健康を守ること、安全であること
  • ・休息の場、安らぎの場であること

上記を満たすためにも、適切な用具の選択や住環境整備が必要です。

住まいに求められる役割

生活環境支援の目的は、「できない」を「できる」、「できる」を「している」に変えることです。

「できなかったこと」を病院では「できるよう」にし、自宅に帰ったあとも継続して「している」にしていくイメージです。

特に以下の支援は重要です。

  • ・転倒・再発予防
  • ・社会参加・交流
  • ・寝たきり(不活動)予防
  • ・QOL維持・向上、ウェルビーイングの考え方

転倒や不活動での身体機能低下を防ぎ、社会参加や交流を促していくことで、継続性ある安定的な生活につながります。

在宅高齢者に多い「転倒」という問題

独立行政法人国民生活センター(H22.12~H24.12)のデータによると、65歳以上の方で事故の起きる場所の77.1%は住宅であることが明らかになっています。

環境別にみた事故発生場所で多いのは自宅の居室や台所、階段などです。

また、65歳以上の在宅高齢者における1年間での転倒発生率は約20%になります。

そして、我が国の家庭内での高齢者の不慮の事故で最も多いのが転倒であり、全体の60%以上を占めています。

転倒を予防するためには、物的環境、特に住宅環境整備が特に重要なのです。

参照:独立行政法人国民生活センター

65歳以上の事故は、さまざまな要因より事故時の重症度が高くなります。

中等症や重症、最悪のケースでは重篤・死亡となってしまうこともあるのです。

高齢期における転倒は単に骨折のみならず、その後の人生に大きく影響する可能性があります。

そういった恐怖心から、日々の生活空間と活動範囲を狭めてADLやQOLを低下させてしまい、寝たきりとさせてしまうケースも少なくありません。

転倒の原因:内的要因と外的要因

転倒の危険要因は内的要因と外的要因に、わけて論じられることが多いです。

内的要因と外的要因は、次のとおりになります。

内的要因外的要因
・加齢変化・身体的疾患・姿勢異常・歩行能力障害・疾患による薬物の使用・明るさ、証明・床の状況・段差、踏み台・履物や服装・眼鏡の調整

高齢期の転倒の原因は、高齢者をとりまく状況(内的要因)状況だけではなく、住宅環境(外的要因)も複雑に関与します。

転倒予防と転倒許容の考え方

高齢期の転倒は老化や老年病、そして物的環境など、多種多様な要因が相互に関連しています。

しかし、高齢期の転倒を恐れるあまり過剰に行動抑制すると、不活動や抑制につながる心身機能に加えQOLの低下につながってしまいます。

大切なのは、転倒予防と一緒に転倒許容も考えていくということです。

転倒予防と転倒許容を考えそのものが、転倒予防床「ころやわ」になります。

ころやわは転倒予防のために設計された床ですが、転倒時の骨折リスクも軽減できるものです。

転倒時は床面がぐにゃっと大きく沈み込み、大腿骨の骨折リスクを軽減する「衝撃吸収性」を実現しています。

ころやわを利用することで、過剰な転倒予防にのみ縛られる必要がないため、高齢者の活動を制限することなく尊厳を守った形で対策ができます。

ころやわの詳細はこちらになりますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

住宅改修でできる具体的対策

ここからは、住宅改修・改造の対象工事とその事例を紹介します。

住宅改修・住宅改造の対象工事

住宅改修・住宅改造で認められる対象工事は主に次のようなものがあります。

  • ・手すり取り付け
  • ・段差の解消
  • ・床材の変更
  • ・引き戸等への扉の取替
  • ・便器の取替
  • ・その他(付帯工事等)

なお、市区町村や自治体によっては、独自の助成制度が設けられている場合もあります。

住環境整備では、制度で認められているかだけでなく、その人の生活にとって本当に必要かどうかが大切です。

住宅環境整備の具体例

実際の住宅改修では、次のような工事が行われることがあります。

例えば、

・階段や廊下への手すりの設置
・段差解消のためのスロープの設置
・段差解消のためのステップの設置
・車椅子使用を想定した、和室からフローリングへの床材の変更
・廊下との段差解消のために床の高さを調整する工事

このように、住宅改修は高齢者の身体機能や生活動線に合わせて個別に検討することが重要です。

また、「ころやわ」は、”床材の変更”の項目にて複数の行政で認められた事例がございます。

住宅改修や福祉用具に関する助成制度

ここからは住宅改修と福祉用具に関する助成制度をいくつか紹介していきます。

介護保険住宅改修費助成制度

介護保険の「住宅改修費助成制度」とは、要介護・要支援認定を受けている方が、住み慣れた自宅で安心して自立した生活を送れるようバリアフリー工事を行う際に、費用の一部が支給される制度です。

詳細は次の通りです。

【対象者】

  • ・要介護または要支援と認定された者

【支給条件】

  • ・対象者が現在居住する住宅であること
  • ・心身・住宅の状況から必要が認められること

【支給限度額】

  • ・対象工事費用に対し上限20万

※自己負担額(1~3割)

※自己負担額割合1割の場合→18万円が給付、2万円は自己負担

【介護保険住宅改修での助成事例】

住宅改修にかかった全体費用40万円(税込みで計算)
介護保険住宅改修助成の対象工事30万円
介護保険住宅改修の助成金額20万円

自己負担割合1割(仮)の場合18万円補助

対象外工事10万円
対象工事のうち、助成上限金額を超えた金額10万円
助成金額20万円のうち、自己負担金額2万円
実際のお支払い金額22万円

要介護または要支援と認定された人で要件を満たしていれば受けられる可能性のある助成ですので、改修検討の際には上記を確認していくとよいでしょう。

日常生活用具給付事業住宅改造助成

介護保険を持っていない方でも受けられる可能性のある助成が、日常生活用具給付事業住宅改造助成です。

詳細は次の通りです。

【対象者】

  • ・重度身体障がい児者(身体障碍者1、2級)
  • ・下肢、体幹または移動機能障害3級の者
  • ・重度知的障がい児者(療育手帳A)
  • ・重度精神障がい児者(精神障害者保険福祉手帳1級)

【支給条件】

※介護保険と同様

【支給限度額】

対象工事費用に対し上限20万 ※自己負担額原則1割

※自己負担割合1割の場合→18万円が給付、2万円は自己負担

日常生活用具給付事業 住宅改造助成は、自治体により、上限が微妙に異なります。

まとめ

今回は介護保険制度を活用した住宅改修の基礎についてお話ししていただきました。

住宅改修を考えるとき、「らしさをあきらめない住まいと住まい方」の視点がベースになります。

生活の質を上げるための視点を忘れないことが大切です。

なお、株式会社Magic Shieldsでは、今後もさまざまなウェビナーを開催していきます。

今回のウェビナーついて、もっと詳しく知りたい方はぜひアーカイブ動画をご覧ください。

 

この記事を監修しました

中村 亜美

中村 亜美 / 介護福祉士・フリーライター

専門学校の卒業と同時に介護福祉士を取得し、そこから計12年程、特別養護老人ホームで介護スタッフとして勤務。現在は、フリーライターとして、在宅介護者や介護スタッフ、事業者向けのコラムなどを執筆している。(株)Magic Shieldsのコラムでは、介護施設内の課題解決などに着目し、経験を踏まえながらわかりやすい記事の作成を目指している。

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